SpotfireのマップチャートはオープンストリートマップやShapeファイルを元にデータを可視化することができますが、自分で作成したイメージ上にデータを乗せることも可能です。
これにより、製品の不良発生個所や、製造工程のイメージ図上に稼働のデータを重ねるなど、より直感的に分かりやすいグラフを作成することができます。
作成方法
イメージはただの画像ファイルであり、地図上における緯度経度のような座標概念がありません。
そのため、画像の座標を定義したレイヤを作成し、その後データレイヤを重ねます。
下記のグラフは野球のグラウンドのイメージ上に、選手のポジションをマッピングしています。
「レイヤ」で「Baseball」と「イメージレイヤ」の2つが表示されており、これらを重ね合わせて作成されています。
具体的な作成の流れは下記の通りです。
①野球グランドのイメージ図を用意します。
②Spotfire上にイメージを乗せてXとYの目盛を定義。
③データの中からポジションを選択して②に対応したXとY軸を決定。
④③で設定したポジションをキーに元データに座標軸を追加。
⑤座標軸を元にイメージ上にマッピング。
まず画像の座標を決定後、ポジションの座標マスタを調整。
座標マスタが決定したら、元データを追加します。
元データと座標データの2つに分ける理由ですが、
位置に変更があった場合、座標データだけ修正すればOKですし、
元データはデータベースになど別ロケーションにあることが多いので、
座標データだけ分離して管理しておいた方が楽です。
サンプルデータ
サンプルデータをダウンロードしてください。
zipを解凍すると下記ファイルになります。
- baseballDiamond.wmf ・・・ グランドのイメージ画像
- baseballmap.txt ・・・ 選手データ
- position.csv ・・・ ポジションの座標データ
データ取り込み
マップチャートの作成
マップチャートのプロパティを開き「レイヤ」を選択。
初期段階で「position」と「マップレイヤ」の2つが定義されています。
「マップレイヤ」は必要ないので「削除」してください。
その後、イメージレイヤを追加します。
「追加」から「イメージレイヤ」を選択します。
イメージレイヤ設定
イメージレイヤ設定画面が開きますので
①「参照」でbaseballDiamond.wmfを指定
②「範囲の設定」ボタンを押して座標の定義を開く
③範囲の設定で
Y高:10
Y低:0
Xロー:0
Y高:10
に設定します。
これでOKを押してマップチャートを表示してください。
残念ながらまだ、グランドは表示されていないようです。
マップチャートは規定で座標系の地図を使用する設定になっているので、
マニュアルの座標軸モードに変更する必要があります。
座標基準系の変更
座標基準系の指定はマップチャート自体とレイヤそれぞれに必要ですので、今回は3か所設定します。
①マップチャートプロパティ
マップチャートのプロパティの「表示」タブにある
「座標基準系」を「なし」に設定
②レイヤのプロパティ
マップチャートのプロパティの「レイヤ」タブで
「position」レイヤを選択して「設定」
「データ」から「座標基準系」を「なし」に設定
イメージレイヤも同様に設定して下さい。
これでイメージのマップチャート自体は完成しました。
しかし、うまくマッピングはできていないようです。
座標の調整が必要です。
※自分のデータを使用してマッピングする場合は「マーカーレイヤ設定」→「位置指定」タブでX座標とY座標が定義されていることを確認してください。
データによってはAvgなど集計になっていることもありますので外しましょう。

軸の微調整
座標を微調整します。
元のposition.csvをExcelで変更します。
直感でX軸、Y軸とも2倍にすればある程度フィットしそうですので
position.csvを開いて値を2倍にして保存してください。
元データが更新されましたので、
Spotfire上に反映させます。
「データのリロード」ボタンを押してデータを再ロードします。
まだまだ調整が必要のようです。
後はExcelで調整→再ロードの手順を繰り返してください。
これでマスタの調整が完了です。
この作業は最初は手間がかかりますが、一度作成してしまえばマスタとして使用できます。
データの結合
座標の調整が済んだので、実際のデータを乗せていきます。
「挿入」→「カラム」を選択
「選択」で「ファイル」を指定してbaseballmap.txtを選択して「次へ」を押します。
キーの指定をします。
今回はPositionをベースに紐付ますので、両方のデータで「position」を選択して「次へ」を選びます。
追加するカラムを選択します。
「すべて選択」してください。
「完了」を押すとデータが結合され、17行になります。
データが揃いましたので、色でHomerunの平均、大きさでSalaryの平均にしてみました。
通常のグラフと同じように、ここからドリルダウンをすることもできます。
イメージマップは、元イメージを作成したり座標を合わせたりと、手がかかりますが
一度作ってしまえば使い回しが効きますので、ぜひご自分のデータでチャレンジしてみてください。